ネットワークビジネス2世の不幸

あるある

ネットワークビジネス界にも2世はたくさんいます。

2022年、ニュースなどで「宗教2世」という言葉を耳にする機会が多かったのではないでしょうか。
実はネットワークビジネスにも2世の存在は多くみられます。

  • 家族がネットワークビジネスに関わるようになり、連れられてセミナーや勉強会に行くうちに、自然に自分もネットワークビジネスを始めていた。
  • 小さい頃から家に遊びに来る人の大半がネットワークビジネスの関係者だったので、業界への界に偏見がなかった。
  • 自分は手続きをした覚えもないんだけどビジネス会員になっていた。

たとえば、あるシンママが、子育てもしながら稼がなきゃという理由でネットワークビジネスを始めたとします。
子育ての傍ら、一生懸命にビジネス活動をし、収益を得て、生活を支え、子供が独立した後も「しっかり稼ぐおばあちゃん」として子供夫婦を支える、孫の教育資金も出す、時間の自由が利くことを強みに孫シッターも頻繁にしてくれる…というようなケースであれば、何ら問題はありません。
「我が家をずっと支えてくれたのはおばあちゃん。そしてネットワークビジネスよね」と感銘を受けたお子さんは、すんなりと2世ネットワーカーとなり、自らもまた成功できるよう自信と誇りをもって活動をしていけることでしょう。

毒親ネットワーカーは、子どもから多くを奪っていく。

しかし、現実はこのような美しいストーリーばかりではありません。
会社員やパートタイマーと違い、ネットワークビジネスには時間を引き換えにした安定収入は保証されていません。収入を得るために馬車馬のように働く毎日が続き、子供と週末を一緒に過ごせたことはほとんどない、学校行事に参加したこともないというネットワーカーはたくさんいます。
「成功はできたけど、子供には何もしてやれなかったわ。私は稼ぐだけのロボットだったの」と晩年、後悔して涙するネットワーカーを私は何人も見てきました。
その中には子供との関係が破綻していたネットワーカーもいます。

  • 子供のクラス名簿を片手に勧誘家庭訪問を重ね、大ひんしゅくを買ったネットワーカー。
  • 保護者会のたびにビジネス勧誘をしたり、教員室にビジネス商材を差し入れたりして先生を困らせるネットワーカー。
  • 人脈を作るために、子供の習い事、教室などを次々変えることを当たり前としていたネットワーカー。

とにかく勧誘活動を第一とする狂ったネットワークビジネスのやり方をしている母親の下で、子供が幸せに過ごせるわけはありません。
子供の世界はある意味大人より残酷ではっきりしています。
「ネットワークビジネスはねずみ講、ねずみ講に関わってる親の子は犯罪者も同然」と直接的ないじめ被害をもたらすこともあります。
もちろん先生は助けてくれません。
問題解決のために保護者面談などを設ければ、火種を広げかねませんし、「関わりたくない」「距離を置きたい」と思うのが自然です。
そうして、誰も助けてくれない地獄の中で、子供はただただじっと耐えるしかないのです。

幸せになるための選択だったはずなのに。

こうしたケースでもまだなんとか、ネットワークビジネスを介した収入があるうちは救いがあります。悲惨なのは経済的な余裕も得ることができず、生活が破綻していくケースです。
ネットワークビジネス商材の買い込みのために、子どもを修学旅行にも行かせてやれなかった。
ノルマを達成するために、子どものバイト料にまで手を付けたことがある。
子供に「ネットワークビジネスは辞めてくれ」と泣きつかれても、辞めたフリをして仕事を継続する。気が付けば借金まみれ…という悲惨な話もよく聞きます。
子どもと豊かに暮らすための選択として、ネットワークビジネスを選んだつもりが、ちっとも豊かにならず、子どもとの絆は壊れてしまった。自分はただの「毒親」でしかなかった。
そう気づいて呆然となっても、すべては自己責任。
国や第三者は助けてはくれません。

それでも毒親ネットワーカーは増えていく。

残念ながら、子供の未来を奪ってしまう毒親ネットワーカーは毎年増える一方です。
これを止めることはできません。
もっというなら、世の中が生きづらくなればなるほど、ネットワークビジネス界にしめる毒親率は加速的に増えています。
物価高、雇用不安、非婚率・離婚率の増加、高齢者介護、「なんとかしなければいけない」という負荷を負った毒親ほど、ネットワークビジネスに取り込みやすい層はないからです。
自分のペースでできる、家でもできる、子育てと両立できる、子供に親として働く背中を見せながら生活できる、仲間が子育ても助けてくれるよ…勧誘文言は甘く魅力的なものばかりです。
しかし、足を踏み入れたその先に待っているのは決して、「思いやりと笑顔」にあふれた時間ばかりではないのです。毒親と傷ついた子供、そんなパターンには陥らぬよう、お気をつけください。

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